女将の日記

12-10-15

当館の玄関に飾られている看板について・・・。

書道家で明治三筆の一人、日下部鳴鶴(くさかべめいかく)氏に書いていただきました。 看板作成当時は群青色というか濃紺色というか・・・あと朱色も用いて「千歳楼」という文字が書かれていました。しかし近年は、長年風雪にさらされていたため、色がかなり薄くなり読み難い状態となっていました。そんなところに、常連様がお連れになった仏師の方が「是非修復してみたい!」と、新たに息を吹き込んで下さり、現在の姿を留めるようになりました。彼此十数年前のこ…

とです。 その際、仏師さんは文字に沿って金箔を塗って下さったのですが、本来は後日金箔を剥がして「いぶし銀」のような色合いにしたかったようです。歴史を現すためにはそうした方がいい、と。しかし女将や主人が「せっかく鮮やかな色合いになったのだから自然に剥がれるのを待ちましょう!」と、金箔を剥がすのを押しとどめました。看板としてはあまりに読み難い状態が長年続いていたため、家人としては文字がはっきり読める状態を欲したのです。仏師さんのお考えもよく分かるし、主人達の気持ちも当然よく分かるし・・・ いぶし銀な感じもきっと素敵だと思いますが、現在の姿もとてもつややかで、私は好きです。
この看板を見上げては思うのです。 また何十年後かにその色がかすみ、昔々の群青色というか濃紺色が現れた時、その時、千歳楼の姿はどうなっているのでしょう・・・ それより私たちは生きているのかな・・・
                                                                                                 千歳楼    若女将