客室
ー 松の間 ー
ー 松の間 ー
松
八帖の和室で、「松」をテーマにして
使用材料と意匠をまとめた部屋である。
一間(約一・八m)の床の間に
付書院(つけしょいん)があり、
地袋付の床脇がある。
腰板付き障子と欄間障子、
じゅらく塗り壁と棹縁(さおぶち)天井で構成されている。
天井高は、九尺(約二・七m)ある。
縁側は、ガラス障子にガラス入り欄間と
外光を取入れた明るい意匠で、細丸太の垂木と、
のね板による化粧屋根裏天井である。
大正天皇が御通りになった部屋。
床の間
赤松の床柱と落掛、松の床框でまとめ、薄縁(うすべり)を敷いた床の間である。窓側に付書院があり、一枚板の欄間とたて格子の障子を入れている。壁は、じゅらく塗りで、脇床の境に神代杉の六角枠で抜いた明かり取りがある。
天井
薩摩杉か屋久杉の天井板を貼った棹縁(さおぶち)天井である。屋久杉ならば現在では手に入らない貴重な材料である。
欄間
欄間は、松の葉の意匠。松ぼっくりの釘隠し。
襖・障子
縁側との境は、腰板付き横組子に和紙を貼った障子である。前室と縁側の境は、和紙を貼った障子と栃の木の板を市松模様に組み合わせた建具で、数奇屋風の意匠である。手掛は、ひょうたんや鶴などを象ったものである。
縁側
縦桟をガラス半分ずらした引き違いガラス障子で、欄間はガラス入り障子である。窓上部長手方向の桁は通し丸太で北山杉、細めの北山杉丸太の垂木と、のね板天井で構成された化粧屋根裏天井である。床は、松の板を貼っている。